29歳と30歳のあいだで揺れていた私
私は、27歳のときに父の後を継いで、経営者として歩み始めました。
責任が大きくなる一方で、自分自身の人生や将来をじっくり考える時間はどんどん減っていったように思います。
そんな中で、2023年9月16日。
私は卵子凍結を行いました。
29歳のときのことです。
この「29歳」という年齢は、私にとってとても特別でした。
30歳になることに対して、なんとなく“言葉にできないプレッシャー”を感じていました。
だから私は、「20代のうちにできることは全部やっておきたい」と思っていました。
この年はいろいろなことに挑戦しました。
結婚相談所に登録したり、選挙の勉強をしたり、MBAを目指して始めたり。
夏にはスカイダイビングにも挑戦しました。
実は私は高いところが得意ではないのですが、「やるなら本気で」と思い、スカイダイビングの日に向けてダイエットまで頑張りました。
“いつ死んでも後悔がないように”と、人生で一番ストイックに生きていた時期だったかもしれません。
そんな中で出会ったのが、卵子凍結という選択でした。
卵子凍結って、どうやってやるの?
卵子凍結とは、将来の妊娠に備えて、自分の卵子を冷凍保存しておく医療行為のことです。
「今は仕事を優先したい」「パートナーがいないけど、将来子どもを持ちたい」——そんな女性が、自分のタイミングで妊娠の可能性を残すための方法です。
私の場合は、幸いにも周期は28日で安定しており、採卵に向けて卵子も順調に育ってくれました。
ただ、これは本当にすぐできるものではありません。
生理周期に合わせて注射や投薬を行う必要があるため、予定していた時期より2〜3週間ずれ込むこともありますし、私も実際ずれ込みました。
仕事のスケジュール調整も思ったより大変で、通院が続く日々は正直少し疲れました。
薬の副作用で気持ち悪くなったり、毎日自分で注射を打つストレスもありました。
「自分の身体をここまでコントロールするのか」と、命を扱う医療の重さを実感しました。
採卵当日。想像以上に痛くてつらかった
採卵当日は、正直に言ってとてもつらかったです。
手術後はまともに歩けないほど痛く、帰宅してからも1週間ほどは体が重くて動けませんでした。

不妊治療の話を聞くと、「離婚の原因になることもある」と言われますが、実際に経験してみて「確かに…」と思いました。
それくらい肉体的にも精神的にも負担が大きいです。
パートナーの理解や支えがなければ、乗り越えるのは本当に大変だと思います。
私の場合は当時パートナーがいなかったので、受精卵ではなく卵子だけを凍結するという選択をしました。
私はどうしても子どもがほしい人です。これから先、自分の人生がどうなるか分からない中で、「今の自分にできる準備」をしておきたいという気持ちでした。
卵子凍結をして感じた「心の変化」
卵子凍結をしてから、心の中に安心感が生まれました。
「焦らなくてもいい」「今の自分の選択を信じていい」と思えるようになったんです。
恋愛や結婚に対しても、年齢や出産リミットという言葉に追われることが少なくなりました。
もちろん、凍結した卵子を必ず使うとは限りません。
でも、“未来の自分に選択肢を残してあげた”という事実が、何より大きな心の支えになりました。
キャリアか家庭か、どちらかを選ばなければいけない時代ではありません。
卵子凍結は、私にとって“どちらも諦めないための選択”でした。
卵子凍結は「保険」ではなく「人生設計」
卵子凍結を経験して感じたのは、これは「出産の保険」ではなく、自分の人生設計を自分の意思で描くための手段だということです。
- 今を全力で生きたい
- でも未来も大切にしたい
- そして、自分のタイミングで選びたい
そんな想いを持つ女性にとって、卵子凍結は心強い選択肢だと思います。
費用は決して安くはありません。
私がかかった費用もまた調べておきますね。
最近は自治体によっては助成金が出る場合もあるので、事前に調べておくのがおすすめです。
未来を「不安」ではなく「選択肢」に変えるために
卵子凍結を経験して、私は“未来”に対する見方が変わりました。
「結婚しなきゃ」「早く産まなきゃ」といった焦り追われるのではなく、
「自分が今なにをしたいか」「どう生きたいか」で選択できるようになった気がします。
キャリアも、家族も、どちらも大切。
そのどちらも諦めたくないからこそ、卵子凍結という選択をしました。
29歳のあの日、未来の自分のために一歩を踏み出したこと。
今振り返ると、それは私にとって“希望の凍結”でした。
