「大学を卒業して数年経ったけど、大学院に行く意味はあるのか?」
社会人になってから大学院進学を考えるとき、こんな疑問が浮かぶ人は多いと思います。最近ではリスキリング(学び直し)も注目されていますよね。
私自身も大学卒業後、一度は臨床心理士の資格を取るために大学院へ進学しました。
でも社会人を経験したあと、再び「大学院に行こう」と考えた時期があります。二度目の大学院進学は、経営学を学ぶためのビジネススクール(MBA)でした。
今回は、私が大学院進学を決めた理由と、出願から入学までの準備期間をどう過ごしたのかを、リアルな体験談としてお伝えします。
1. 大学院進学を考え始めたきっかけ
20代後半、私は父の会社を継ぎました。(私の人生史はこちら)
臨床心理士として働いてきた経験はあったものの、経営者としてはまったくの素人。
特に悩んだのは会社の行末とお金のこと。
日々業務をこなしながら「どうしたら会社を持続させられるのか」「未来のために今何をしなければいけないのか」考えても答えが出ません。銀行や商工会議所、中小企業相談室など、あちこちに相談しましたが、人によって言うことがバラバラで、誰を信じていいのか分からない状態でした。
そこでまずは簿記を勉強し、2級を取得しました。
帳簿の付け方やお金の流れは分かるようになりましたが、将来の経営判断につながるまでには至りません。
「結局、私はこの先どうしたらいいんだろう?」と、モヤモヤしたままでした。
そんなとき、ある人からこうアドバイスをもらいました。
「フレームワークというものがあってね。問題を整理して当てはめれば、自然と答えが導き出せるようになるよ。経営をするなら、まずはフレームワークを身につけた方がいい。」
当時の私は「フレームワークって何?」というレベルでしたが、ピンときました。
「私には知識が足りない。きちんと体系的に学べば、今の迷いを突破できるかもしれない」
そう思ったのが、大学院進学を真剣に考え始めた最初のきっかけでした。
2. 大学院進学を決めた理由
きっかけを得てから、大学院進学を決めるまでは意外と早かったです。
ネットで「経営学 勉強」と検索すると、民間講座から大学までさまざまな選択肢が出てきました。中には信頼できるのか不安になるHPや情報もありました。
そこで私が重視したのは、
- 国から認められた教育機関であること(学校法人)
- 学んだ証として学位が取れること
でした。
せっかく時間もお金も投資するのだから、スキルとして学ぶだけではなく、形として証明できるものを残したい。
そう考え、私は「大学院で経営学を学ぼう」と決断しました。
3. 出願準備でやったこと
経営学を学ぶことを勧められたのが5月。「なるべく早く学び始めたい」という気持ちが強かった私は、9月入学が可能な大学院を探しました。
条件は:
- 自宅から通える範囲であること
- 仕事との両立が可能であること
- 実践的な学びができること
この条件で候補に挙がったのが、名古屋商科大学大学院(NUCB ビジネススクール)でした。
NUCBはハーバード・ビジネススクール流の「ケースメソッド」を取り入れています。これは実際の企業の事例をもとに、自分が経営者だったらどう意思決定するかを議論するスタイルです。
模擬授業に参加したとき、NUCBの名誉教授 長沢雄次教授から言われた言葉が印象的でした。
「週末の授業を受ければ、月曜日からすぐに使える知識が身につきますよ。」
まさに私が求めていた「実践的で即効性のある学び」でした。
その場で「ここしかない」と決め、NUCBを受験することにしました。
準備としてやったのは:
- 出願書類の作成
- エッセイ(志望動機やキャリアプラン)の練習
- レポートの書き方を復習(学生時代からの参考書「新版 論文の教室 レポートから卒論まで」を再読)
オンライン出願だったので手続きもスムーズでした。
4. 入学までの準備期間をどう過ごしたか
社会人向けの大学院ということもあり、受験から合格までは短期間。合格通知を受けてから入学までは数か月しかありませんでした。
この期間、私は MBA Basics というコースに参加しました。
- 週1回・夜に2時間
- ケースを事前に読み、参加者同士でディスカッション
- 教授は答えを教えるのではなく、議論を導くスタイル
このおかげで入学前から授業の流れに慣れることができ、同期よりスムーズにスタートできました。
同時に、家族や会社とも話し合いました。
「この2年間で何を学び、どう会社に還元するのか」「どんな協力をお願いしたいのか」を共有して、協力体制を整えました。
さらにもう一つ。29歳で入学を決めた私は、将来のライフプランを考え、卵子凍結にも取り組みました。キャリアと出産のタイミングをどう両立するか――これも、大学院進学と同じくらい大きな決断でした。(こちらは別記事で詳しくお話ししますね。)
まとめ|「誰を信じたらいいか分からなかった私」が変わった
最初は「誰を信じていいのか分からない」と迷子のような気持ちでした。
けれど人との出会いで「フレームワークを学ぶ」というヒントをもらい、大学院進学を決めたことで人生の流れが変わりました。
社会人になってからの大学院進学は大きな挑戦です。
でも私にとっては、経営に必要な知識を体系的に学び、人生の選択肢を広げるための最高の投資でした。そして何よりも、大学院で得られたご縁の数々は、このチャレンジをしなければ出会えなかった宝物です。
もし今あなたが「大学院って本当に意味あるのかな?」と迷っているなら、まずは説明会や模擬授業に参加してみてください。きっとヒントが見えてくるはずです。